ヤングアメリカンズとは?
音楽で世界を変える若者たち
〜 ヤングアメリカンズの挑戦
ヤングアメリカンズは、1962年にミルトン・C・アンダーソン氏が設立した非営利団体(NPO)です。彼は「若者の無限の可能性を音楽の力で解き放ち、社会に新たな価値を生み出す」ことを信念に掲げていました。
ヤングアメリカンズは、17〜25歳の若者たちによって構成された合唱団として始まりました。その後、彼らはアメリカ国内の有名な音楽番組にも多数出演し、彼らを追ったドキュメンタリーはアカデミー賞を受賞しています。
しかし、ヤングアメリカンズは単なるパフォーマンス団体ではありません。彼らが展開する「ミュージックアウトリーチ」は、音楽を通して子どもたちに勇気や自信を与える教育的な取り組みです。
これまでにドイツや日本、南アフリカなど30か国以上で、累計90万人の子どもたちがこのプログラムに参加し、未来への希望を見出してきました。
音楽の力で、次世代に輝く未来を。
ヤングアメリカンズはこれからも世界中でそのメッセージを伝えていきます
ヤングアメリカンズの活動内容
音楽で心をつなぐ
〜 ミュージックアウトリーチツアー
ヤングアメリカンズのミュージックアウトリーチは、音楽の力で子どもたちに自信と希望を届ける活動です。キャストが世界中の学校や地域に出向き、歌、ダンス、演技を通じて子どもたちと交流します。
ワークショップでは、アクティビティを通じて楽しく学び、子どもたちは自分の可能性を広げていきます。そして最終日には、家族や地域の人々を招いて感動のショーを披露します。このショーは、子どもたちが自信を深め、成長を感じる特別な瞬間です。観客となる家族や地域の人々も、その変化に驚き、成長の喜びを感じるでしょう。
ショーが終わると、キャストは次の目的地へ移動し、新たな町で次のワークショップが始まります。これを数ヶ月にわたって繰り返し行うため、この活動は「ミュージックアウトリーチツアー」と呼ばれています。
ツアーは春、夏、秋の3シーズンに分かれ、それぞれ1月から3月、4月から8月、9月から11月までの期間で実施されます。シーズンごとにメンバーはカリフォルニア本部に戻り、再編成されることで、常に新たなエネルギーと意欲で活動を続けています。
2.ヤングアメリカンズの定期公演
ヤングアメリカンズは、観客を魅了する数々の定期公演をアメリカ国内で展開しています。カリフォルニアで毎年行われるクリスマス公演「Magic of Christmas」、ブロードウェイミュージカルのトリビュートショー、さらにはミシガン州の高級リゾートでのディナーパフォーマンスなど、バラエティ豊かなステージを提供しています。
特に12月のクリスマス公演は、世界中のツアーを終えたメンバーがカリフォルニア本部に集結し、100名以上のキャストが壮大な舞台を繰り広げます。華やかな演出と感動的な音楽が観客を包み込み、このショーは毎年、多くの人々にとって心に残る特別なイベントとなっています。
ヤングアメリカンズの歴史
ヤングアメリカンズの誕生
〜 革新的なショークワイアのはじまり
1960年代のアメリカは、反体制的な若者たちが「ヒッピー」として既存の社会に対抗し、時代の変革を求めていました。多くの大人たちは彼らを批判していましたが、高校の音楽教師だったミルトン・C・アンダーソン氏は、若者たちの持つエネルギーに未来を見出しました。
「若者たちのありのままの姿を、音楽を通じて社会に伝えたい」。この信念を抱いたミルトン氏は、合唱団「ヤングアメリカンズ(The Young Americans)」を設立し、若者たちがその才能を自由に表現できる場を提供しました。
ヤングアメリカンズは、アメリカ全土でパフォーマンスを行い、TV番組に出演するなど一躍人気を博します。特に、彼らが生み出した「ショークワイア(歌って踊る合唱団)」という新しいスタイルは、音楽とダンスを融合させたもので、観客を驚かせました。実はこのスタイルこそ、後に人気ドラマ「Glee」のようなショークワイアの原点だったのです。
ミュージックアウトリーチの誕生
〜 音楽教育を取り戻すために
1990年代、アメリカでは教育予算の削減が進み、多くの学校で芸術関連の授業が姿を消していました。特に音楽教育は軽視され、多くの子どもたちが音楽を学ぶ機会を奪われてしまいました。
そんな中、ヤングアメリカンズは音楽教育の重要性を訴えるため、新しい試み「ミュージックアウトリーチ」を開始しました。このプログラムでは、学校を訪問し、子どもたちと一緒にショーを作り上げることで、音楽の楽しさと大切さを伝える教育活動です。
最初のアウトリーチは、フロリダ州マイアミのコーラルリーフ高校で実施されました。合唱の名門校であるこの学校は、ヤングアメリカンズのディレクターと親交のあった顧問の先生によって招かれ、ショーは大成功を収めました。生徒たちの笑顔と反響が、この活動をさらに広げるきっかけとなりました。
こうして始まったミュージックアウトリーチは、アメリカ全土で急速に広まり、やがてヨーロッパ、ロシア、アジア各国にもその活動が広がっていきました。音楽を通じて、子どもたちに新たな希望と創造の機会を提供するこの活動は、今も世界中で続いています。
ヤングアメリカンズの教育メソッド
〜 音楽を通じて自己成長を促す
ヤングアメリカンズのアウトリーチワークショップは、音楽やダンスの技術を向上させるためのものではなく、仲間と共に短期間でショーを作り上げる経験を通じて、チームワークや達成感を学び、自己成長を促すことを目的としています。ワークショップでの挑戦を通じて、参加者は「こんなことが自分にもできるんだ!」と自分の可能性を発見し、自信を持つようになります。
日本では、子ども向けだけでなく、教員やビジネスパーソンを対象に、リーダーシップの育成やチームビルディングの促進を目的としたワークショップも行われています。これまでに数多くの企業がこのプログラムを導入し、参加者は協力の重要性と自己成長を体感しています。
ヤングアメリカンズのメンバーはツアーに出る前に心理学や教育学を学び、受講者が安心して自己表現できる環境を作り出すためのトレーニングを受けています。そのため、ワークショップでは参加者が自分を素直に表現し、新たな自分を見つけることができるのです。
このプログラムは、音楽を通じて自信を育み、新しい自分を発見するために、世界中で展開されています。
ヤングアメリカンズ、夢の大学へ
ヤングアメリカンズの創設者、ミルトン・C・アンダーソン氏が長年抱いていた夢、「ヤングアメリカンズを大学にしたい!」という想いがついに実現しました。現在、ヤングアメリカンズは「The Young Americans College of The Performing Arts」として正式に認められ、パフォーミングアーツ分野における専門的な教育を提供しています。ここでは、音楽、ダンス、演技を通じて、学生たちが自己表現やチームワークを学び、技術を磨くことができる環境が整っています。
また、ヤングアメリカンズのアウトリーチ活動は、大学の単位として認定されており、一部の大学への編入時にも単位として移行可能です。アウトリーチを通じて学生は、世界中での実践的な経験を積みながら、学問的な成果も同時に得られるという、理論と実践が融合した学びの場が提供されています。
ヤングアメリカンズと日本ツアー
〜 笑顔と希望を届ける旅
ヤングアメリカンズ日本ツアーの始まり
ヤングアメリカンズは、2006年から本格的なアウトリーチツアー活動を始めました。このアウトリーチプログラムは、NPO法人「じぶん未来クラブ」の招聘により、日本の子どもたちに届けられるようになったのです。以来、毎年欠かさず来日し、14年間で17万人以上の日本の子どもたちがヤングアメリカンズと出会い、音楽の力で笑顔と自信を取り戻してきました。
2011年の東日本大震災以降、ヤングアメリカンズは東北ツアーをスタートし、被災地の子どもたちや住民に音楽を通じて希望を届けてきました。このツアーは、多くの被災者の心に光を灯し、前向きな気持ちを取り戻す支援となっています。
今後もヤングアメリカンズは日本各地でツアーを続け、さらに多くの子どもたちに音楽を通じた成長と新しい自分の発見を提供していく予定です。
パンデミックを乗り越え、4年ぶりに日本へ再び!
創設者のミルトン氏と、現ディレクターのブルース氏。
2020年春、コロナウイルスによるパンデミックにより、ヤングアメリカンズの日本ツアーはもちろん、すべてのインターナショナルツアーが中止となりました。キャストが集まってのリハーサルすらできない状況で、団体は急激に縮小し、一時は再起不能とまで言われるほどでした。
そんな中、2023年に転機が訪れました。新たに統括ディレクターに就任したのは、40年前にヤングアメリカンズのキャストとして活躍したブルース・サンプソン氏。彼は生粋の「YAファミリー」の一員として、少数のキャストたちと共に奮闘し、アメリカツアーの再開やディナーシアターショーの復活に尽力しました。
そして、ブルース氏と残されたキャストたちの「もう一度、日本に戻りたい」という強い想いは、多くの人々を動かし、2024年に日本法人であるヤングアメリカンズジャパンを設立。同年夏、関東地方でプロモーションツアーを行い、日本ツアーの復活を遂げました。
新たなスタートを切ったばかりの新生ヤングアメリカンズは、今後も音楽を通じて日本中に感動を届け続けていきます。これからの活躍をどうぞ暖かく見守り、サポートいただければ幸いです。